ブログ「かぞくのことば史」

かぞくのエピソードは、忘れてしまうには寂しいから、パパ目線で切り取っていきます。全国のかぞくからのご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします!

予期せぬ負傷|かぞくのことば史004

かぞくのことば史(2019・1・4)

寒いのは苦手だ。実家の朝は寒い。カラダの芯が絞られる。そんな寒さも今日が最後と思うと少し寂しくも我慢できた。今日は実家を離れ、自宅に帰るのだ。自宅の近くにはメグさんの実家があって、野菜などのお土産をお裾分けに伺う予定になっている。Uターンの渋滞を嫌って、いちよう朝は早めに出発した。

見送る父と母の姿は、毎年涙ぐましい。席を立つ度に腰をかばう父と、白米が喉に支えて苦しい顔をする母の映像が頭に流れたが、子どもたちの元気な声がかき消した。「ばいばぁ~~い!!」カラダを大事に仲良くなっ!と心で付け足した。

朝ごはんをパーキングエリアで済ませて、子どもたちの機嫌をガシャポンで取りながら、予定通りに車は進んだ。2時間ほどで、メグさんの実家に到着。トランクの野菜を運ぶときに事件は起きた。大した重さではないのに、背中の右側にビリビリと破けるような痛みが走った。我慢して運び切ったものの、動くたびに違和感と痛みがついてくる。筋をやっちゃったかなぁ。明日からの仕事が余計に憂鬱になった。

自宅に着いても痛みは引かなかった。実家から持ち帰ったおかずで夕食をとり、寝るまでのあいだは、衝動買いしたニンテンドースイッチマリオパーティで盛り上がった。

そうちゃんにはまだ早いので、私といつも通りのウルトラマンごっこ。今日のウルトラソウチャンの武器はうちわのようだ。仰いだ風に合わせて永遠に退治される楽な遊びだが、今日は背中も痛いので、倒れたまま休憩することに。「ぱぱぁ~、立っち~」目論見虚しく、うちわの持ち手の先で、背中の患部をほじくり回され、悶絶して終わった。

横になると背中が痛いので、今日はリビングのこたつでクッションにもたれて眠ることにする。寝る体勢を考えていると、りんちゃんがメグさんに声をかけた。

「ママぁ、今日は絵本読んでもらえる?」 普段、絵本担当である私は、 「パパが読んであげようか?」と割って入った。

「いいよいいよ、背中痛いんでしょ?大丈夫だから無理をしないで」と言い返された。

息子の少し背伸びをした優しさがすーっと染み込んできた。こんなコトバに出会えたのだから、背中の痛みにも感謝である。まあ、メグさんがハミガキ中にこっそりと「パパ今日は背中が痛いから、無理を言わないであげてね」とりんちゃんに耳打ちしたのは知っているけどね。ありがとうメグさん。素直に息子へありがとうを伝えて、私はこたつに身を埋めた。やっぱり寒いのは苦手だ。