ブログ「かぞくのことば史」

かぞくのエピソードは、忘れてしまうには寂しいから、パパ目線で切り取っていきます。全国のかぞくからのご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします!

曇りのち晴れのち雨|かぞくのことば史030

かぞくのことば史(2019・1・30)

次男はまだオムツが取れていない。トイレトレーニング中だ。トイレに行くことが嫌いで、オムツにすると言い張る強情ぶりで、トレーニングはそれなりに心配なペースで遅れている。絶対にトイレでした方が気持ち悪くないのに、それをわからせてあげられなくて、メグさんも私もあの手、この手である。基本的にインテリアの統一感であるとか、デザインであるとかの意味で、キャラものを遠ざけたい傾向がある私も、ウルトラマンのポスターを貼ったトイレや、ウルトラマンのパンツを履かせることに、我慢しなくてはいけない時期なんだろうと思う。

今日は何があったかというと、そうちゃんがトイレに座り、「ちょっとだけ」オシッコが出たらしい。きっと今日はそのことで、たくさん褒めてもらったんだろう、今は気分良く眠っている。何回かトイレに座って、じっとしていることができた日もある。ただ、成功とはいかなかった。

数日前も、私が休みの日だったか、家族4人でリビングで過ごしていると、どうもソワソワと、いかにもオシッコしたそうになっていて、見かねてメグさんはトイレに座らせた。案外、抵抗はなく、便座に座ったそうちゃんは、「出ないよぉ」と繰り返す。

「出ないよ、じゃないでしょ、出たいはずだからしてごらん?大丈夫だよ、気持ちがいいよ」

「出たよ〜(でていない)」

「出てないでしょ、出るまで座ってないとだよ?」

トイレの方からメグさんが戻ってきたので聞いてみた。

「出たの?」

「全然。出るまで降りれないよって言っても、たぶんわからないし」

二人で困った顔を合わせたその時、開けっ放しのトイレからちょぽちょぽと音がするではないか!私たちは、今度は喜びの顔を見合わせてから、トイレに走った。すると、ダイナミックに飛び散らせたのか、トイレ全体が濡れている。いや、雨が降っている。そうか、ウォシュレットの水が噴水のように上がって、落っこちているのか。そうちゃんや、なぜ慌てるでもなく、泣くでもなく、物思いにふけるような顔で便座の端に座っているの?今、この狭い個室は大変なことになっているよ笑

間も無く、メグさんの発狂が聞こえるのは言うまでもない。

兄のりんちゃんが、弟に説教をしている。もちろんそうちゃんの方も聞いてはいないが笑。

「もう、オシッコを壁にしたらだめでしょ!!!」

(うん、ちょっと誤解があるみたいだね笑)

「でもさ、りんちゃん。りんちゃんも、そうちゃんくらいの小さい頃、お〜んなじこと、やったんだよ?」

「え?そうなの??」

そうなのだ、長男のトイレトレーニング中、全く同じことを経験したことがある。トイレに雨が降って、メグさんの発狂が続いて、二人で無言で掃除をした。なぜか私が休みの時に起きるらしい笑。しかし、この失敗の後、見事に凛ちゃんはトイレで用を足せるようになったではないか。これは登竜門。これは登竜門。そう言い聞かせて、この日は少し早めのお風呂の時間にすることになった。

さあ、そして今日は、少しにしてもトイレですることができたとあれば、おそらく近いうちに、メグさんはそうちゃんをトイレで抱きしめる時がくるだろう。長男と次男を連れて、並んで用を足しに行く日も近くなったかもしれない。

けん玉|かぞくのことば史029

かぞくのことば史(2019・1・29)

家の鍵を開けて中に入った時点で、子どもが起きているか寝ているかは気づく。起きていれば、二人の息子がかき回す空気やエネルギーのような活気を肌で感じるし、逆に寝ていれば空気も静かなのだ。

今夜はメグさんの姿も見えないので、ちょうど寝かし中。インフルエンザも流行しているし、まずはお風呂に入って、クリーンな状態に戻さねばと、風呂支度をしていると、リビングに見覚えのないけん玉がある。

りんちゃんが幼稚園で作ったものなのだろう。お正月遊びのおもちゃは毎年作っていて、去年はコマだった。懐かしくなって、なんとなく手に取ってしまう。この時点で、「あ、お風呂はいってないのに」と思ったのだけれど、童心とは怖いもので、気づけば糸を垂らし、カチャン、カチャンと、遊び始めてしまった。もちろん久々なので上手くもなく、どうやって棒の部分に入るのか真剣に考えてしまった。

とにかく穴が下を向いた状態で浮き上がらせないといけない。そのためには、ひざを深く折り曲げ、伸ばす勢いで浮き上がらせる。下から刺す方の手は、最後に脇を締めれば棒が真上を向きやすいことがわかった。

何度かその方法を試すと、5割〜6割で成功するようになったので、大きく間違ってはいないと思う。

さて、完全に面白くなってしまっている。あと数回やったら、もうお風呂に入ろうと思った。明日やろうは馬鹿野郎。あと数回やったらお風呂に入ろうも馬鹿野郎だった。振り向くとメグさんがいた。

やっとの思いで子どもを寝かしつけたメグさんは、寝室を出て、1階へと向かう。リビングからカチャンカチャンと怪しい音が聞こえてくる。ドアを開けると、パンツ1枚で一心不乱にけん玉を繰り返す旦那を目撃したのだ。

「早く風呂にはいらんかーーーい!ちょっと貸して!!!!」

と近づいてきたメグさんは、私の持っているけん玉を奪いとり、玉を下に垂らして構えをとった。

(え?)

ふわっと玉を浮き上がらせて、まるでフェンシングの選手が宙のリンゴを刺すように、小刻みに真横に突いた。玉は跳ね飛ばされて下に落ち、またプラプラ垂れ下がっている。

「…………。」 「絶対成功させる気ないよね?」

無言のまま、再び玉が宙にふわっと浮き上がる。小刻みに動かすけん玉がナイフのように玉を突きはじく。カチャンッ!!プラプラ……。垂れ下がり揺れる玉。しばらくの間。けん玉にぶつけていたストレスがやっと声になって飛んできた。

「やっと寝た!!!!!!!」

けん玉を置く。

「さ、ご飯つくって呑も。お風呂はいってきてね。」

「は、はい。」

ストレスの解消方が独特過ぎる笑。あの小刻みな腕の動きが私に向かないうちにお風呂に入ろう。この時期のパンツ一枚はさすがに冷えた。

どちらかと言えば|かぞくのことば史028

かぞくのことば史(2019・1・28)

今日は、車で迎えに来てもらった。後部座席でそうちゃんがチャイルドシートにもたれて、今にも眠りに落ちそうだ。

大事そうに、ウルトラマンや怪獣たちのソフビを握りしめて可愛い。小さな手一杯に大好きなソフビを抱えて、いい夢が見れるだろうね笑

それよりも気になったのは、見かけない上着を着ていることだ。水色のパーカーで胸部分に星のようなマークが描かれている。水色ベースに赤や白が入ってくる配色で、ダサいかダサくないかで言うと、ダサい。メグさんに聞いてみる。

「なんか、あったかそうなの着ているね」

コストコにいったら、その配色がウルトラマンティガに見えたのか、メチャクチャ気に入って離さないの。ばあばが買ってくれた。すごかったよね?りんちゃん…」

「うん、そうだよ!そうちゃん、これこれって離さないんだよ、もう3歳なのに。」

(うん、6歳のキミもたまにそういう時あるけどな笑笑)

次男は「たたかう」ことが好きなのだ。闘争本能にあふれていて、普段は手をつけられず、被弾は免れないといった状況だ。でも、あまり強く叩いたり突っ込んでくるような動作をお友達の前でして欲しくないので、「攻撃はチョンって優しくやりなさい」と言い続けた。そのうち私を見つけると「あ!怪獣だ!」と凄い剣幕で走り寄ってきたわりに、「ちょ〜ん」とわざと高い声で、 指タッチをしてくる。なにか彼の中のウルトラマンと怪獣の戦闘を、恋人同士の突っつきあいのように変化させてしまったようで、申し訳ない気もする。

きっと今も夢の中で、怪獣やウルトラマンたちと、突っつきあいをしてじゃれているのだろう。こうして車で迎えにきてもらう場合は、彼を抱きかかえて寝室まで運び、布団に寝かせる。今日は怪獣たちも添い寝させてやろうと思う。せっかくウルトラマン(のような配色?)のお気に入りパーカーを着ているしね。

自宅に到着した。

寒いのでパーカーのフードまでかぶせて、チャイルドシートから下ろす。事前に下にはパジャマを着せてあるから、このまま寝室に直行できる。しかし気になったことがある。パジャマのズボンはブルーのスウェットを着せている。そして今、ブルーのパーカーを上の着ているので、青一色の着ぐるみを被っているようだった。胸の前に白い円、その中央に赤い星が書かれているが、俯瞰的に見るとこれって、ウルトラマンと言うよりも………、ドラえもんじゃないか?笑笑

可哀想な時計回り|かぞくのことば史027

かぞくのことば史(2019・1・27)

長男は来年から小学生だというのに、時計を読めないことがある。今度、パパと特訓だという話をしている場面で、メグさんが面白いことを言い出した。

「時計って教え方も難しいよね。時計回りとか、反時計回りとか、よくわかんないし」

「え」

「針がさ、数字と数字の間にあったらさ…」

「いや、そうじゃなくて、時計回りが難しいの?」

「うん、いつも混乱する。よくわかんなくなっちゃう。」

「なんでだよ!」

「例えばね、時計回りにその場で回れって言われたら、私の場合だったら、右に回ればいいんだよね?」

27日

「うん、メグさんの場合じゃなくても、みんな右回りだし、その場で時計回りに回れって指示はされることないと思うけどね笑」

りんちゃんは、自分が時計がうまく読めない話題から完全にそれたので、安心しているみたいだった。

車の中で子どもたちは寝てしまい、今夜は早々にメグさんは呑み始められそうだ。

メグさんは酒のつまみにDVDを観ている。今夜は、少し夜更かししちゃうぞという意気込みが感じられてカッコいい。

このDVDは、私が誕生日にプレゼントしたもので、飽きずに観てくれているのは嬉しい。単に好きだから観ているとも思うし、別の要因もあると思う。去年DVDと一緒に「ファンクラブに入っていいですよ券」と「もしチケットを取れたら私がお休みを取るので一人で行ってきていいですよ券」も実はおまけでプレゼントしている。そして、見事にチケットを勝ち取った彼女は、近日コンサートに向かう予定だ。きっと、気持ちを高めるためもあって、DVDを観ているのだと思う。逆に私の誕生日プレゼントは第7版の広辞苑で、まだ読み切れていないから、勝手にバツが悪い気持ちになってしまった。

さて、これほど楽しみのしているのに、子どもから風邪でもうつされて、外出できないなんてことになったら、この熱狂的ファンは平成史でも稀に見る暗黒の

私はあまり音楽に熱狂したことがない。例えば、バンドをやって楽器の練習を頑張ったり、好きなアーティストのコンサートに出掛けたり、そういう経験をしてこなかった。本を読むのは好きだし、何人かファンなんだよなぁと思う先生方が思い浮かぶけれど、どの先生も武道館でマイクは握らないし、ペンを握る姿のDVDは発売されない。なので、アーティストへの「ファン心理」と作家への「ファン心理」は、ちょっと違う気はしていた。

ただ、どちらにしても、時計回りについて理解することよりは、文化的で心が豊かになるとは思った。

時計回りは残りの人生をかけて妻に教えていくつもりだ。

掘りたての芋飾りの少年|かぞくのことば史026

かぞくのことば史(2019・1・26)

「子どもの写真」は実は見ていないものが意外と多い。写真そのものは、実はかなり前に撮られていて、夫婦間で見せ合ったときに、「あれ?これいつの写真?」と初対面を果たしたりするものだ。今夜も次男が幼稚園の未就園児クラスの芋掘り行事の写真たちと初めて出会った。中に、インパクトのある写真があったので紹介したい。

次男が両手で大きなお芋を顔の横に持ち、レンズに哀愁のある表情を向けている。私は次男を見直した。芋は持っているけど、カメラにむかってきちんと静止して、芋は持っているけど、人に写真を撮られる用の顔を準備し、芋は持っているけど、カメラ目線で決めにかかる。西洋美術史に出てくる画家の肖像画のような美しささえ感じる。芋は持っているけど笑。普段も芋を持ち歩いて、写真を撮りたい、ここぞの場面では、アシスタントのように「失礼します、こちらお芋です」と手渡せば、常に最高の写真が仕上がるのではないかと思ってしまう。

さて、完全にバカにしている感じになってしまったが、私の故郷はサツマイモが有名で幼い頃からサツマイモで育ってきた。芋の苗を植える、収穫をする行事はもちろん、芋焼酎も美味しければ、収穫を祝ういも祭りがあり、キャンドルの代わりに芋を並べたバージンロードを歩く、芋結婚式まである。嘘みたいだけど、本当にある笑。

今、思い返すと、凄まじい芋推しをされてきた私の遺伝子は息子たちに受け継がれ、スイートポテトや干し芋は、家族揃っての大好物だ。ただ、掘りたての芋がフォトジェニックかどうかは、話が別だっただけだ。とにかく、次男の結婚式に使われるであろう写真を手に入れたことに間違いない。

ただ、幼稚園のカメラマンさんが撮った写真なので、データがない。現像された写真がマスターなので、汚すわけにはいかない。そうちゃんの結婚式まで、大事に保管してあげなくてはと思っているのだけれど、問題が一つ。兄であるりんちゃんの弟愛が発動し、この「掘りたての芋飾りの少年」を非常に愛でている。

「このそうちゃんが、可愛くてしかたないんだよ」

「この写真、気に入って気に入って」

「そうちゃん、みてほら、そうちゃん可愛く写ってるよ!」

写真をピラピラとなびかせながら、見せてくる。危険だ。今に誤って転んだ拍子に折り曲げる。慌てて、置いておきなさいとりんちゃんを落ち着かせる。兄弟仲がいいのは嬉しいけどね。ちょっと離れておきなさい(兄弟あるある笑)写真の整理はメグさんに任せっきりになってしまっているが、写真には写り切らないものがある。ことばだ。気持ちは写るけど、ことばは、書いたり発声したりして、初めてことばになる。と思っている。だからできるだけ、写真と共に、ことばも残したいと思った。

小さな幸せは足音も静かに|かぞくのことば史025

かぞくのことば史(2019・1・25)

小さな幸せは、当事者にしか、たった一人でしか、味わえない時もある。ある朝、入りずらかったピアスがなぜか抵抗なく通った鏡の前の女性も、卒園式の夜、最後の洗濯に入れるくたびれた制服をじっと見つめてしまう母親も、急なバイトに駆り出された日の夜空、流星群に出会ったニュースを見ない少年も、毎日と同じはずだった一節に、予期せぬ角度で「和音」が重なり、一人でそのハーモニーに気づいてしまった結果の、小さな幸せだったりする。

今朝もいつもと変わらない朝の流れだった。メグさんが起きて、私が起きて、長男が起きて、ご飯や着替えで一通りあたふたして、私が次男を起こすため寝室に向かい、抱っこをしてリビングに連れてくる。次男はいつだって寝坊助だ。いつからこの流れなのか、かぞくのことば史を記録し始めて間もない私には知りようもないけれど、ほとんどの親は、目覚めた子どもに、喋れるかどうかは関係なく、「おはよう」と語りかけるだろう。毎日、毎日、「おはよう。」「おはよう。」でも、赤ちゃんから「おはよう。」は帰ってこない。少し言葉を覚え始めたら、そのことばが聞きたくて「おはよう。おはようって言ってごらん?」に変わる。毎日、毎日「おはようって言ってごらん?」「おはようって言ってごらん?」期待に応えるように子どもが「おはよう」と返してくれた日はそれはそれは嬉しかったと思う。ただしこれは、そうむしろ、大きな喜びだ。小さな幸せではなく、いつかそんな日が来ると予期していた大きな幸せだ。「おはよう」と言えば「おはよう」と返してくれるようになった日から、私は目覚めの時間にこれ以上の期待なんてなかった。私にとってはリビングに次男を連れてくる儀式でしかなかった。平凡な毎朝。小さな幸せを感じる準備が整った頃だった。寝室に入ると次男が寝ている。いつも通り起こしにかかる前に、クローゼットの前で自分の着替えを済ませていた。すると、いつのまにか一人で起きてきた次男が後ろから「パパ、おはよう」と声をかけた。振り返った私は少しの間言葉を返せないでいる。‘次男から’「おはよう」を言ってきてくれたのは今日が初めてだった。その声は、柔らかい風が心を通り抜けたみたいだった。私は膝をついて目線を合わせ、久々に心から言った。「おはよう、そうちゃん。」

リビングにもどって、メグさんに報告をしようかどうしようか迷ったが、内緒にすることにした。そのうちこれを読んでバレるだろうし、少しだけ、小さな幸せを独り占めする時間を楽しむことにした。

言わないで|かぞくのことば史024

かぞくのことば史(2019・1・24)

長男が私に見せる顔と、メグさんに見せる顔が少違うようだ。そう妻が話している。最近、長男はふてくされるという対抗手段を乱用していて、日中はその態度に叱ってばかりとのこと。最終的に、「パパに言うからね」というと、それだけはやめて欲しいのか「いやだ〜〜〜」と泣き出す。しばらくすると、ケロっとして別のことでふてくされる、叱られる、「パパに言うからね」、「いやだ〜〜〜」と泣く、日が暮れる、の繰り返しでちょっとメグさんも疲れているみたいだ。

今朝、私が買ってきた、メープルクリーム入りのパンが、あまり気に入らなかったようで、ふてくされた長男。メグさんが叱るとさらにコタツに隠れ始めて抵抗。メグさんのお決まりの攻撃。

「あ!じゃあ、パパに言っちゃうからねって昨日言ったこと言うよ!」

慌ててコタツから出てきて、「いやだいやだ」と取り乱す長男。

「パパに内緒にしてる、アイスで怒られたことも、全部言うよ!」

「いやだいやだ!」

(うん、私の目の前でもう全部言ってるけどな笑)

すると急に、りんちゃんは泣き崩れはじめた。アイスの何でそんなに怒られたのか気にもなるが、詳しくは聞かなかった。これは予想でしかないのだけれど、りんちゃんは私にいいところを見せたい節がある。できない自分を見せたくないようだ。

一通り悲しみにくれたりんちゃんはお水をコップに入れて飲もうとするが、今はふてくされモードなので、わざと手に力を入れないで、ふにゃふにゃとコップを握る。どう見てもこぼすだろうと思った瞬間、またメグさんからお叱りの言葉を受ける。

「そうやって、ふざけて持ってこの前スープこぼしたことも全部言うからね!!」

「いやだいやだ!」

お水は無事、コップにとどまった。でも、また秘密を全部言っちゃってるけどね。

そんな光景を見ながら2つのことが頭に浮かんだ。一つは、私は仕事で家にいられないことが多いので日中の出来事は、把握しづらいのはわかっている。ただ、思っているよりもずっと把握できてないのかなということ。メグさんも全て報告できるわけではないし、ましてや、秘密ごとがあるとなると、私の見ている成長の輪郭は氷山の一角なんだろう。またもう一つは、秘密ごとがあるという、羨ましさ。秘密。内緒。ワクワクする言葉である。私は息子とメグさんに内緒にしていることがあるだろうか。おそらく……ない笑

それでも、思ったよりも大人、思ったよりも子ども、色々あるけれど、その時の息子に合わせた、叱り方や、伝え方で、父親らしく見守ることができたらいいと思う。

出かける前に、長男に聞いてみた。

「ママに秘密にしたいこと、ある?」