言わないで|かぞくのことば史024
かぞくのことば史(2019・1・24)
長男が私に見せる顔と、メグさんに見せる顔が少違うようだ。そう妻が話している。最近、長男はふてくされるという対抗手段を乱用していて、日中はその態度に叱ってばかりとのこと。最終的に、「パパに言うからね」というと、それだけはやめて欲しいのか「いやだ〜〜〜」と泣き出す。しばらくすると、ケロっとして別のことでふてくされる、叱られる、「パパに言うからね」、「いやだ〜〜〜」と泣く、日が暮れる、の繰り返しでちょっとメグさんも疲れているみたいだ。
今朝、私が買ってきた、メープルクリーム入りのパンが、あまり気に入らなかったようで、ふてくされた長男。メグさんが叱るとさらにコタツに隠れ始めて抵抗。メグさんのお決まりの攻撃。
「あ!じゃあ、パパに言っちゃうからねって昨日言ったこと言うよ!」
慌ててコタツから出てきて、「いやだいやだ」と取り乱す長男。
「パパに内緒にしてる、アイスで怒られたことも、全部言うよ!」
「いやだいやだ!」
(うん、私の目の前でもう全部言ってるけどな笑)
すると急に、りんちゃんは泣き崩れはじめた。アイスの何でそんなに怒られたのか気にもなるが、詳しくは聞かなかった。これは予想でしかないのだけれど、りんちゃんは私にいいところを見せたい節がある。できない自分を見せたくないようだ。
一通り悲しみにくれたりんちゃんはお水をコップに入れて飲もうとするが、今はふてくされモードなので、わざと手に力を入れないで、ふにゃふにゃとコップを握る。どう見てもこぼすだろうと思った瞬間、またメグさんからお叱りの言葉を受ける。
「そうやって、ふざけて持ってこの前スープこぼしたことも全部言うからね!!」
「いやだいやだ!」
お水は無事、コップにとどまった。でも、また秘密を全部言っちゃってるけどね。
そんな光景を見ながら2つのことが頭に浮かんだ。一つは、私は仕事で家にいられないことが多いので日中の出来事は、把握しづらいのはわかっている。ただ、思っているよりもずっと把握できてないのかなということ。メグさんも全て報告できるわけではないし、ましてや、秘密ごとがあるとなると、私の見ている成長の輪郭は氷山の一角なんだろう。またもう一つは、秘密ごとがあるという、羨ましさ。秘密。内緒。ワクワクする言葉である。私は息子とメグさんに内緒にしていることがあるだろうか。おそらく……ない笑
それでも、思ったよりも大人、思ったよりも子ども、色々あるけれど、その時の息子に合わせた、叱り方や、伝え方で、父親らしく見守ることができたらいいと思う。
出かける前に、長男に聞いてみた。
「ママに秘密にしたいこと、ある?」